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◆唐草模様について 1 ◆(アカンサス、ぶどう)2007/ 8/ 3

FRP02西洋の歴史的建造物などの再現、更にデザインをしている(FRP・ロートアイアン)当社で私はずっと疑問に思っていたことがあります。というか知らなかったことはとてもお恥ずかしい事ですが。。。
当社のHPの施工例写真でもおわかりの通り、唐草模様はなぜあんなにも巻きつくように描かれてきたのか・・・きっと理由があるはず!と早速、どっぷり調べてまいりました。
少しずつ勉強しながらこの場を借りて皆さんにも知っていただければと思っています。
あの巻きつくような唐草の葉のほとんどは、地中海沿岸地方に自生する2年草植物「アカンサス」の葉なんです。(他にもぶどう唐草模様などもあります)紀元前400年頃から「再生の象徴」としてギリシャの美術品に現れ、特にこの写真のようなコリント様式の柱頭として一般的になったようです。
その後、キリスト教美術時代(4~5世紀)に多くの美術品に盛んに使用されました。
他にも調べてみると、ギリシャが最初にアカンサスの葉を描いたようですが、色彩が発達してきてからは世へどんどん渡り歩いたアカンサスの表現も刃先の丸みを帯びたものから少しずつ柔らかさは消えて行ったようです。
それとほぼ同様にぶどう唐草模様もエジプトに生まれペルシャへ、やがてローマにおいて盛んに用いられ、サン・ピエトロ大聖堂天井にローマ風に描かれました。
その後コリント式柱頭の装飾モチーフであったアカンサスの葉と統合し(写真の柱の下の方の模様)、アカンサスから草(ローマ唐草)を誕生させることとなりました。やがて渦巻組紐文を吸収 → ロマネスク → ゴシック → ルネッサンスの優雅な表現 → ヨーロッパ系唐草の主流となったようです。